タウンネット下呂市萩原町版

『薬師様の桜 その歴史を訪ねて』 ― 桜、薬師堂、正福寺跡 ―

掲載日:16年04月09日(土)
掲載者:羽根区

薬師様の桜は、八本のエドヒガンと十本を越えるソメイヨシノが公園の周りをぐるりと取り巻いて咲く眺めは壮観です。樹齢は定かではありませんが、最も古いエドヒガンは二百年以上と思われます。根元におおきな瘤のある樹があり、この瘤を撫でると母乳が出るようになると言われ、昔は子どもが生まれると薬師様の桜の樹を触りに来たとの話も聞かれます。
その北側にひっそりと佇むのが薬師堂です。地元では、「薬師様(やくっさま)」と親しみを込めて呼ばれています。かつては「正福寺」があり、安土桃山時代、天正年間(一五七三~一五九三)に萩原の諏訪城が修築される際に、壊されて材料が使われたことにより廃寺となったとの記述が『斐太後風土記』に見えます。その遺蹟がこの薬師堂であると伝えられ、このお堂の北側には、水鉢石、十基を越える五輪塔が残っており、そこには梵字が刻まれている(右下の写真)ことからも、かなり古い時代のものと推定されます。
薬師堂に隣接して「ふれあいの家」も建てられ、春には羽根区民の「花見会」、夏には「千灯供養」が行われ、七年毎に「御開帳」も盛大に執り行われるなど、地域の人々が大切に守り続けています。

参考 「正福寺」については、正德六年(一七一六年)  発行の地誌『日本鹿子』第八巻に「飛騨の国条下日正福寺川根に建曹洞宗、本尊行基菩薩作平手観音云々」との記述が見られます。(『川西村誌』より) 

益田新四国六番之霊場 同中央二十一大師奥之院
 やくしぶつ頼め人々身のやまい こころのやまいいえさるはなし


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